2010年3月 第12期生卒業

床反力荷重解析システムによるデジタル体重計を用いた開運動連鎖下肢筋力測定法の検証

齊藤康文・濱田 智・森脇佳央里

学会発表

床反力計荷重解析システムによるデジタル体重計を用いた閉運動連鎖下肢筋力測定法の検証

齊藤康文 濱田 智  森脇佳央里 河村顕治 片岡 光 酒井孝文 梅居洋史 山下智徳

45回日本理学療法学術大会 平成22527日(木)~29日(土) 岐阜メモリアルセンター

【概要】高齢化社会を迎えて健康運動指導の必要性が高まる中で、安価で簡便な閉運動連鎖(以下CKC)下肢筋力測定法の開発を目指している。デジタル体重計とベルトを用いた閉運動連鎖下肢筋力測定法を床反力計と荷重解析システムを用いて検証する。対象は、健常若年女性12(年齢:19.3±0.5)と健常高齢女性18(年齢:76.3±4.4)である。床反力計(AccuGait)1枚を組み込んだ荷重解析システム(ToMoCo-FP)をカスタマイズし、右下肢についてCKCで床反力計を蹴る矢状面の運動を側面から撮影したデジタルビデオカメラの映像と床反力ベクトルとの重ね合わせ画像をリアルタイムに記録することができるようにして足部出力の計測を行った。床反力計の上にデジタル体重計を載せ、同時に計測を行った。計測肢位は体幹垂直位、股関節屈曲90°膝関節屈曲60°足関節背屈10°の椅子座位をとり、右足部をデジタル体重計に乗せた。この時、床反力計は水平面に対して40°の傾斜で設置されている。幅5cmの環状に連結した固定用ベルトを用い、腰部は第12胸椎棘突起レベル、足部は足底中央部になるように床反力計の下からベルトを通し、腰部と足部を閉鎖固定した。5秒間のCKCにおける等尺性最大足部出力を測定した。足部出力体重比(kg/kg)は床反力計で若年者1.7±0.4、高齢者1.1±0.4であり、体重計で若年者1.6±0.4、高齢者1.0±0.4であった。若年者ではPearsonの相関係数r=0.994、高齢者ではr=0.986とどちらも1%水準で高い相関がみられた。